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![]() 縞瑪瑙には、 朝焼けが隠れていると、あなたは言った。 それは高い糸杉の梢から明るんでいき、 やがて煙るように、 木菟の耳と大きな両目の形をした、 島陰に守られて立ち上る 白い虹のようだと、あなたは言った。 それは指でなぞると仄かに光りだし、 やがてひとつひとつの縞を伝わり、 緩やかな丘陵をすべる露となって拡がっていく。 孔雀の睫毛のように、 ヒースの野原がざわめく。 あなたはドレスに風を孕ませて、 薄明の懸崖に立ち尽す。 何処からか硝煙の匂いがして、あなたは振り向く。 そして火打石たちの戦いがそこに現じているのを見、 虚ろに響く甲冑の音を聞く。 エヴァリスト・ガロアはその朝、 保型関数の論文を書き遺し、 決闘に赴いたのだった。 恋文は腹に受けた傷ごとあの世に持ち去ってしまった。 若死にするに勇あるのみと溜息して ![]() 『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』(ポリフィルス狂恋夢)よりの図像拝借。このところ『狂えるオルランド』やネルヴァルのような、己独りの劇場で狂っていく男の性を無理矢理見せつけられて、聊か困っていた。幻想は魂のお薬だが、度が過ぎると身を滅ぼす。そもそも恋とは「病い」の謂であり、縁なき衆生には只管傍迷惑なものなのだ。正統派純愛とされる『ロメオとジュリェット』だとて、悲劇だが、その実党派争いによる致死眷属の怖いお話である。 『ポリフィルス狂恋夢』ではポリフィリロは予めポーリアに拒絶されていて、夢のポーリアの身体性は大自涜者のそれである。 この口絵は木版なので、まるでロダンの『接吻』の如く余りにも実体的である。消え行くポーリアの儚い姿からは程遠い。そう言えばロダンもカミーユへの「狂気」のトリガーを引いていたな。狂女はもっと御免である。 代々木第一体育館のKARAのLIVEに行って来た。コンサート終わりのRV(ランデヴー)を失敗し、盟友の古賀氏と初台、渋谷、下北沢と迷走した挙句、落ち合ったのが疾うに10時半を回っていた。結局下北沢で落ち合い、久々に酌み交わし乍ら色々人生相談などされたが、ボードレエルの言う「快復期の精神」のようなものが横溢していて、彼の画家人生が、孰れ大きく好転して行く今は大事な過渡期にあるやに思われた。より善く生きんとする時に、邪な欲望にさえ絡めとられなければ踏み外しなどあろう筈はない。 私自身の人生訓も<穢れを去る>事である。そもそも芸は人を楽しませ幸福にする力であらねばならない。少なくとも目先の欲得のみで事を為せば、そこに<美>など派生しよう筈もないのである。幸も福も与えることのみ願わぬなら、<真>を穿ちたくも、何も受け渡すことなど出来ぬ。表現者の使命は独占と真逆であると知るべし。そんな事を語らった。ちょっと前まで大きな負を背負っていたが、彼が人に与える力は天性のものである。私は契機だけは腐る程持っているので、彼が人に与える無差別的な愛の力に役立つなら、友として幾らでも都合をつける。唯一私が行う<悪>は、絵画への偏愛という物質主義によって、大悟をせず、餓鬼道を邁進することである。これだけはどうにもならない。 そんなことを思い乍ら帰ってみると、ロンドンの非幻想系展示会の大立て者から、ビッグプロジェクトの誘いが舞い込んでいた。不思議なものだ。人に契機を分けた途端、何の前触れもなく倍する契機が巡ってくる。 星霊体の少年 田中章滋 冥い星々の中庭に少年達の影が佇んでいる 彼方には馬の首座 少年達は遠い邦にその分身の肉体を持っており 手足を打ち鳴らしたり、屈伸したりして 成熟への狂おしい意志を秘めている 朽ち果てた植物園からエーテルの狼煙 薄荷や乳香、没薬(ミルラ)の 薫香が辺りに満ちる 神殿の都市では 技師達の喋る頭蓋が回転しながら天使の騒声(どもよし) や 戦慄する美神の叫びを放送し 蟷螂の卵隗のように 群集が溢れている 柘榴の谷では夥しい血漿が流され あちらこちらに真理の種子が露出しているが 世界は無情な天幕によって 被い尽くされ、二分され続けている いつの日か闇の彼方に予兆の光が放たれ 少年達が結晶となってやってくる 遠ざかったり近づいたりしながら 一人の学者がその構造を確かめるだろう だが彼には何も発見することが出来まい それがアストラーリスだとは 地上では誰もが神で、王領は果てしない 車輪の上で殺害される聖者や巫女 ここではあらゆる光景が エロティックな哄笑を巻き起こし 巨大な水晶球のなか 未来が龍の尻尾のように 水抹(みなわ)を散らしてのたうっている 見よ!星霊体の少年達(アストラルボーイズ)を 彼等は意志の意志 記憶の記憶、影の影 刃の沈黙のスタイルで降り立つ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今日は全てが明晰判明し、極めて爽快である。さらばグライアイの三姉妹よ。盟友の古賀郁氏の夢に因んで21年振りのネタばらし。『アストラルボーイズ』の正体はデュランデュランでありました。このPVが下敷きで、オリジナルイメージはたった三行。 巨大な水晶球のなか 未来が龍の尻尾のように 水抹(みなわ)を散らしてのたうっている しかも今頃予言的中の珍妙。象徴交換はやっぱり魔術なんだよね。そして忘却あるのみ。 ![]() ![]() Le miroir Celle que j'aime habite un miroir Comment pourrais-je la rejoindre Dans ce fracas d'astres glacés Moi qui n'ai pas trop de silence Pour ne ressembler qu'à moi-même Aux marches blanches du sommeil Glisserai-je ombre sans mémoire Vers ce château de solitude Défendu par tant d'oiseaux noirs Pour monter jusqu'à son sourire Sans déranger cette eau profonde Qui le préserve de mourir Il me faudrait être la nuit Et ne plus savoir d'où je viens. Marcel Béalu,“ Chemin marqué” 鏡 私が愛する人は鏡の中に住んでいる どうすれば私はそこに入ることが出来るだろう 極寒の星の衝突の中で それが自分にしか似ていないと思う 沈黙に私は堪えることができない 睡眠のための白い散歩 私はそこに記憶にない彩りを滑り込ませる 沢山の黒い鳥によって守られた 孤独の城へ 彼女の笑顔に縋るため 死を鎮める深層の水を乱さぬため 私は夜でなければならず 私が何処から来たかも知ってはならない マルセル・ベアリュ(『標された道』) ![]() 「秘密の現実展スペシャルパフォーマンス」Une performance Special 「Naoko Shibuya ピアノコンサート」Le Concert de Piano par Naoko Shibuya 「水蜘蛛」抄・マルセル・ベアリュに捧ぐ 作曲・台本 Naoko Shibuya 朗読 MADOKA /Dominique Desorges /Shoji Tanaka 5月3日(木)開場16 : 30 開演17:00 入場料:1500円 ![]() レセプションパーティ 5月3日(木)18:00~19:00 パーティーのみ入場無料 「秘密の現実展」 EXPOSITION RÉALITÉ SECRÉTE 銀座西欧ギャラリー 東京都中央区銀座2-2-18 西欧ビル7F (スパンアートギャラリー企画) tel: 03-5524-3060 2012年4月30日(月)~5月5日(土) 11:00~19:00まで 最終日17:00まで マルセル・ベアリュ/Marcél Béalu ドミニク・デゾルジュ/Dominique Desorges ユーグ・ジレ/Hugues Gillet 井関 周/Shu Iseki 田中 章滋/Shoji Tanaka 大森 伸樹/Nobuki Omori 浅野 信二/Shinji Asano 古賀 郁/Kaoru Koga 佐々木 六介/Roku Sasaki 中嶋 清八/Seihachi Nakashima トオル ノガワ/Toru Nogawa 伊豫田 晃一/Koichi Iyoda ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Exposition organisée-展覧会組織 -Gradiva.inc:グラディヴァ・インク(Shoji Tanaka:田中章滋) Collaboration-企画協力-Span Art Gallery:スパンアートギャラリー -Jose Béalu:ジョゼ・ベアリュ Guest/ゲスト -Dominique Desorge:ドミニク・デゾルジュ -Hugues Gillet:ユーグ・ジレ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 関連記事及び動画 Toru Nogawa/Cahier de Paris 渡られた橋 ![]() ![]() FANTASTIC ART SHOW KYOTO 2012 幻想芸術展-京都- 会期2012年4月24日(火)~4月29日(日) 12:00~19:00(最終日18:00迄) 会場:同時代ギャラリー 〒604-8082京都市中京区三条御幸町南東角1928ビル1F TEL/FAX 075-256-6155 Sanjo Gokomachi 1928 bldg. Nakagyo-ku Kyoto http://www.dohjidai.com/ map 4/24(火)レセプションパーティー 展覧会会場にて 17:00より __________________ FANTASTIC ART SHOW TOKYO 2012 幻想芸術展-東京- 会期:2012年4月30日(月)~5月5日(土) 11:00~19:00(最終日17:00迄) ※4月30日(月)初日15:00より開場 会場:Salon de G 〒104-0061東京都中央区銀座6-4-6 646ビル9階 TEL 03-3571-5837 / FAX03-3571-5834 6-4-6 646 bldg 9F. Ginza,Chuo-ku,Tokyo map 4/30(月)レセプションパーティー 別会場 19:30より __________________ ![]() ![]() ![]() ![]() 「秘密の現実展」 EXPOSITION RÉALITÉ SECRÉTE 銀座西欧ギャラリー 東京都中央区銀座2-2-18 西欧ビル7F (スパンアートギャラリー企画) tel: 03-5524-3060 2012年4月30日(月)~5月5日(土) 11:00~19:00まで 最終日17:00まで マルセル・ベアリュ/Marcél Béalu ドミニク・デゾルジュ/Dominique Desorges ユーグ・ジレ/Hugues Gillet 井関 周/Shu Iseki 田中 章滋/Shoji Tanaka 大森 伸樹/Nobuki Omori 浅野 信二/Shinji Asano 古賀 郁/Kaoru Koga 佐々木 六介/Roku Sasaki 中嶋 清八/Seihachi Nakashima トオル ノガワ/Toru Nogawa 伊豫田 晃一/Koichi Iyoda レセプションパーティ 5月3日(木)18:30~21:00 Une performance Special 5月3日(木)開演17:00~ Le Concert de Piano par Naoko Shibuya 「水蜘蛛」抄・マルセル・ベアリュに捧ぐ 作曲・台本 Naoko Shibuya 朗読 MADOKA /Dominique Desorges /Shoji Tanaka ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Exposition organisée-展覧会組織 -Gradiva.inc:グラディヴァ・インク(Shoji Tanaka:田中章滋) Collaboration-企画協力-Span Art Gallery:スパンアートギャラリー -Jose Béalu:ジョゼ・ベアリュ Guest/ゲスト -Dominique Desorge:ドミニク・デゾルジュ -Hugues Gillet:ユーグ・ジレ ![]() SOCIETY FOR ART OF IMAGINATION 61 internationale Künstler aus 22 Ländern ![]() Eröffnung in Anwesenheit vieler Künstlern Samstag, 14.April 2012 um 11:00 Uhr Internationale Konferenz: Die Zukunft der phantastischen & visionären Kunst um 14:00 Uhr ![]() 会場は上記バナーをクリック。会期は明日より。 Artists: Isaac Abrams,Benny Anderson, Jane Andrews, Bienvenido Banez, Jon Beinart, Camilla Brodersen, Claus Brusen, Gary Burczak, Vincent Castiglia, Annabella Claudia, Jorge Nazabal, Michel De Saint Ouen, Val Dyshlov, Kate Eggleston-Wirtz, Eike Erzmoneit, Sue Freeman, Michael Fuchs, France Garrido, Jurgen Geier, H.R. Geiger, Can Gokil, Alex Grey, Elisa Halvegard, Daniel Hannequand, Diana Hesketh, Martina Hoffmann, Peter Hutter, Slavko Krunic, Nick Krushner, David Lawton, Laurie Lipton, Pious Lumumba, Jack Lipowczan, Brigid Marlin, Jan Malechek, K.D. Matheson, Cathy Mccartney, Janelle Mckain, Lilia Mazurkevitch, Michael Parkes, Graszka Paulska, Vlaimir Perov-Gladky, Marnie Pitts, Anna Plavinskaya, Leo Plaw, James Porto, Jean Pronovost, Otto Rapp, Jack Ray, Bruce Rimmel, Stephen Snell, De Es Schwertberger, Olga Spiegel, Adela Stefanov, Amy Swartele, Shoji Tanaka, Miguel Tio, Marcus Usherwood, Robert Venosa, David Whitfield, Rene Zwaga Society for Art of Imagination Exhibition Duration: April 14 – April 28, 2012 Phantasten Museum Vienna Palais Palffy Josefsplatz 6 1010 Vienna Austria 『22カ国からのAOI 61人の国際アーティスト展』 オープニング: 2012年 4月14日(土)AM11時より 国際会議: 「幻想と幻想的なアートの未来」 PM14時より 『ウィーン幻想美術館/Phantasten museum Wien』でのSOCIETY FOR ART OF IMAGINATION/略称AOIに混じっての展示である。日本人は私のみの参加になっているが、それには仔細がある。二年前、ロンドンはギャラリー・ポールモールでのAOI定例展の際、アイスランドの火山噴火の影響でベルリンで足止めを喰らい、最終日に滑り込みで間に合ったものの作品をAOI代表のブリジッド・マーリンに預けたままで当日の内に帰国せねばならなかった経緯による。再度ロンドンを訪ねた際に回収する約束であるが、パリに足は向いてもロンドンに寄る旅程が作れずにいるのだ。AOIには都合3点の絵を預けているが、2点はミュンヘンの山の中、今度はウィーンにまで持っていかれてしまって、実は困っている。孰れも美術館なので、人目に触れているだけ有り難くもあるが。 以下の写真はロンドンのギャラリー・ポールモールで私の絵の傍で控えるブリジッド・マーリンの図。ブリジッドはエルンスト・フックスの高弟であり、『ウィーン幻想美術館』の成立をサポする役割を担っただけに、今期の展示はAOIの威信をかけて錚々たるメンバーを招集といった態。私はAOIのメンバーではないのだが。 と申すのも、『ウィーン幻想美術館』からIFAA単独での展覧会の促しがあるからで、これを実現するためにはウィーンに迄足を運ばねばならない。今回、招待状にもある通りAOIによるウィーンでの国際会議に参加するよう盛んに誘われているが、そんな所に行けば飛んで火にいる夏の虫、姉妹関係どころか完全にAOIの衛星団体にされかねないので、剣呑極まりない。エルンスト・フックスとは別件で今年秋に展覧会で御一緒出来ることになっているので、別段土下座外交の必要はないのである。 増してウィーン幻想派となると、国内であの人、この人、過去のウィーン留学組で五人組師匠に認知すらされていない傍流連が幅を利かせていて、日本の幻想芸術が国際的に埋没してしまった原因が彼等とその取扱い画廊の功罪であると正直言いたいのだ。それに私は先生生徒だの、実力を伴わぬ妙なヒエラルキーが大嫌いな人間なのである。もとより名声如何で作品の見栄えが変るものでもなし、作品の良し悪しは見る者が決めること。されどいい作品が沢山集まることに如くはなし。そして日本は世界に稀に見る高水準な幻想絵画の担い手が一国のみでAOIを凌ぐ程存在するのである。故にそれが海外の何処であっても、IFAA単独での展示は意義深いものである。早晩『ウィーン幻想美術館』でのIFAA展は実現するであろう。 ![]()
流石にこんなことして遊(お勉強?)んでていいのかと思い始める。裸眼で頑張った御陰で細密画の目のリハビリも程良くなったやに感じる。その証拠に近作の多くが凄く荒い仕事に見えるようになった。模写の方は奥から手前と描かねばならぬセオリーに反し、ルーペ無しではとても描けたものではないので、手前ばかり進んでしまった。
さて、どうしたものだろう。模写を最後まで仕上げるべきか、己の絵に戻るべきか... ![]()
ここはHermès Trismégisteに肖ったブログである。時に高等魔術(これを一つの精神衛生管理術と申さば、おどろおどろしい印象を避けらりょうか)を操ることもある。
「光る甲冑を着た勇敢な聖ゲオルギウスが、彼女の町を脅迫している恐ろしいドラゴンから王女を救おうとしている。」 何故無意識的にドラゴン(悪魔)を滅ぼさねばならぬかは自明だ。蛇蝎がどの穴から這い出てくるかも判明している。もともと蛇は手足を欠くので、毒を吐く口とその誘惑以外に手が無いのだ。蛇と蝎は勝手に睦み合わせて置くに如くはなし。古来悪魔払いの奥義は「無視」なのである。合わせ鏡の中に封印するが如し。 ![]() 手法は以下。思わぬ所に象徴交換の魔術的作法というものが隠されているものである。三美神には決して関係を持ってはいけない女神が二人居る。誰と誰かは言わぬが花。 高等魔術=手の込んだ冗談。 ![]()
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