「秋分の思想」が私を早くから絡めとっていた。己の愚かな様も、他者の愚かな様も、ああやっぱりと思えて無感動に傾く。それを無常観と思えば悟ったようで、ではどうするか? 私を過剰な複雑系と友は呼ぶが、そうだろうか? 単純なだけのようにも思える。そして誰の人生も大差ない。凡そ思い上がりだ。ポケットのビスケットを粉々に叩きつつ、無限に殖え続ける幻想を抱けど、還元主義からは逃走し得ない。何時かはそこに手を差し入れねばならない。そして身の程を知るばかり。この世に珍らかなものなど何もない。悟って悟らず、されど尚の情熱を!