潜在意識に全て任せて製作していると、一連の私の作品に伏在するテーマが観念的な人形と秋毫してしまった結果なのだと今頃気付く。一種の『フランケンシュタインの花嫁』ということか。同テーマを扱う人形作家の言ったことが正しかったのだ、と今更諾わざるを得ない。彼女には「私が描いているのはマネキンだ」と嘯いたが、反・人形に真っ向から挑まねばならぬと覚悟す。一年後には<一体>仕上がっていることだろう。Zahir展の出品作を『メトロポリス』のマリアだと印象したToru Nogawa氏の感想も正鵠を射ていたことになる。今はそのドローイングをそのまま油彩画に仕立て始めている。
毎度のことながら、お題のようなものがあると場違いな局面で勝手に発酵し始めるという困った己の性分である。