トレド、グラナダ、パリ巡回の"Dreams and Divinieties"でもほとんどメインゲストであるように錯覚する程、他の並み居る斯界の著名作家を押しのけてミッシェル・バソ/Michel Bassotの大作が圧倒的だった。光栄にも私の作品が相向かいとなり、L’ART GENSO PARISでも馴染みの彼と記念のショット。彼にもミッシェル・アンリコと通ずる厳格な作風が感ぜられるが、本人は冗談ばかり飛ばす温厚な人柄。そんな為か誰も彼もがミッシェルと一緒にカメラに収まろうと大人気であった。
彼とドミニック・デゾルジュ/Dominique Desorgesが一緒に居ると、二人とも実にお喋りな、典型的なフランス人ながら、毎度の道中がまるで弥次喜多のようになっているので、何だか可笑しくてしょうがない。端で見ていると漫才そのものなのである。
作家論は二の次だが、ミッシェル・バソと会っていると、真の実力者は常に高度に人格者である、そう確信させてくれる、彼はそんな剛天使である。